2018年6月25日制作

新しくビジネスを始める際に用いる「開業資金」。どのような事業を営むか、どのような店舗を開くか、業態や規模によって必要な額は異なります。飲食店や販売店のように店舗のある業態では、多額の初期投資が不可欠で、預貯金や退職金による自己資金だけでは十分でないケースもあります。金融機関から融資を受けて開業資金を調達する必要もあるでしょう。開業資金として掛かる費用や資金調達の手段をみていきましょう。

目次

開業資金として必要となる費用

自宅での開業なら少額でスタート可

自宅で開業可能な小規模の無店舗ビジネスなら、事務所や店舗の取得費用が不要なため、数十万円から百万円といった少額の資金でも始められます。ひとりで営む事業なら、人を雇わないので人件費も不要です。開業当初の運転資金として、通信費、消耗品費、広告宣伝費を用意しておきましょう。高性能パソコンやビジネス用の携帯電話・スマートフォンを購入したり、自宅を働きやすいように改装したりするなら、その費用も読み込んでおきます。もちろん、当面の自分の生活費は確保しておいた方がいいでしょう。

店舗のある事業なら物件費用が必要に

店舗を構える場合は、少なくない額の物件費用を準備する必要があります。これは開業時に一番多くの資金を費やす項目で、100万円単位の支出になることもあります。不動産会社に対する仲介手数料、前家賃として最初の1ヶ月分、さらに保証金として家賃の10ヶ月分が必要なケースもあります。これに加えて、エアコンなどの空調設備や棚・什器の購入に設備費が発生しますし、デザインにこだわりのある店舗にするなら改装費や内装工事費も高額になります。飲食店なら、椅子とテーブル、食器類、冷凍庫・冷蔵庫、製氷機、シンクやオーブンといった厨房設備も多額の出費になります。店員の採用費・人件費、集客のための広告宣伝費、フランチャイズなら加盟料や研修費も必要となります。

売上が安定するまでの運転資金も準備しておく

開業資金として準備が必要な額は、事業の立ち上げ時に掛かる費用だけではありません。独立時にすでに固定客がいて安定した売上が期待できるのならいいのですが、そうでないなら、数ヶ月から1年程度は十分な売上がないこともあります。このようなリスクを想定し、売上が安定するまでの間の運転資金も開業資金として準備しておくようにします。

開業資金の調達方法

自己資金で十分な額を用意できるなら

開業資金をどのように準備するかは、大きな課題です。預貯金や退職金で必要な額がまかなえるなら、資金調達について頭を悩ませることはないでしょう。融資を受けた資金とは異なり、返済期日を気にせずに済みますし、利子を支払うこともありません。自己資金だけでは十分でない場合は、融資を受けるなどして必要な資金を調達することになります。

公的融資制度なら有利な条件で資金調達可

資金調達の方法としてまず検討したいのは、「公的な創業融資制度」です。公的融資は金融機関の融資よりも比較的審査が緩やかと言われており、金利、担保の有無、返済期間の長さといった面でも、借り手に有利な条件が設定されています。政府が100%出資している「日本政策金融公庫」や、都道府県・市区町村が設ける「制度融資」なら、無担保・無保証人で利用できます。ただし、自己資金をある程度準備することが融資条件となっているため、開業資金の全額を公的融資で調達することは難しいです。自己資金では不足する分を補うような借り方をすることになります。

銀行から融資を受けるのは難しい

銀行から開業資金の融資を受けるのは難しいことが多いようです。融資の際に審査を行うのはどの金融機関も同じですが、銀行では過去の実績を重視する「スコアリング方式」の導入が進んでいます。スコアリング方式とは与信判断手法のひとつで、融資を受けようとする会社の財務情報など様々な情報を組み合わせて信用評価を行う仕組みです。財務状態やこれまでの業績が重視されるので、設立されたばかりの会社について信用評価を行うことができません。スコアリング方式による与信評価が、銀行から開業資金の融資を受けるのを難しくしている理由のひとつだといわれています。

いわゆるノンバンクからの融資

政府系金融機関や銀行以外のいわゆる「ノンバンク」からも、開業資金の融資を受けることができます。「ビジネスローン」や「事業者ローン」と呼ばれる融資で、銀行に比べると、審査の際の書類や手続きが少なく、融資実行までの日数は短くなっていますが、金利は高く設定されています。ノンバンク各社が様々な融資商品を展開しており、金利、限度額、担保の有無、保証人の有無といった条件も異なっています。担保となる不動産を所有している人向けの「不動産担保ローン」も、ビジネスローン・事業者ローンのひとつとして、開業資金の調達に利用されています。