不動産担保ローン 知識コラム

起業助成金や補助金の活用

2018年7月24日制作 2020年11月2日更新

助成金・補助金は、国や自治体から受け取ることができる返済の必要がない資金です。女性や若者、高齢者の起業支援といった趣旨で、多様な制度が設けられています。どのような助成金・補助金制度があるのか、みていきましょう。

目次

起業助成金の基本

起業助成金とは

助成金と補助金はどちらも、一定の条件を満たせば国や地方自治体から受け取ることができるお金です。女性や若者の支援・人材育成、成長分野への投資、起業支援といった様々なテーマの助成金・補助金が設定されています。給付金ですので、借入金とは違い、原則として返済の必要がありません。申請するには申請書を用意する手間がかかりますが、審査に通れば資金面で大きなメリットがあります。また、事業内容が申請条件に適しているということ自体が評価になりますので、会社の信頼性がそれだけ高まります。

助成金と補助金では受給難易度が異なる

名称も役割も似ている助成金と補助金ですが、受給難易度が大きく違っています。助成金は、受給条件を満たしてさえいれば、原則として申請すればだれでも受け取ることができます。一方、補助金は、設定された条件を満たしているだけでなく、審査に通過しなければ受け取ることができません。補助金は、予算に上限があり、審査に通過する人数に制限があることから、受給難易度が高くなっています。

助成金の申請期間は長く、補助金は短い

助成金と補助金では、申請期間も異なっています。一般に助成金はいつでも、または長期の申請期間内に申請可能ですので、起業・開業の時期に合わせて申請することができます。ところが、補助金の場合、申請できる期間が短めの日数で設定されていることが多いです。申請期間が1ヶ月というケースもありますので、起業・開業のタイミングに合わなかったり、補助金の存在そのものに気づかなかったりすることもあるので、情報収集が大切になります。

助成金・補助金制度を設けている機関

経済産業省、中小企業庁

経済・産業の発展を担う「経済産業省」は、その外局である「中小企業庁」とともに、数々の助成金・補助金制度を運営しています。いくつか例を挙げると、「持続化補助金」は、販路開拓や生産性向上の取組みを支援するものです。「IT導入補助金」はITツールの導入を支援する目的で設けられています。「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資の支援を目的としています。

厚生労働省

起業支援、再就職支援、雇用環境の整備、65歳超の雇用推進、仕事と家庭の両立、人材開発支援といった、労働者の能力向上や雇用の促進を目的とした助成金が、「厚生労働省」では数多く設けられています。

各自治体

全国の自治体もそれぞれの助成金・補助金制度を設けているところがあります。起業・開業時に受けた融資の返済負担を軽減する「利子補給金」、融資を受ける際の保証料を補助する「信用保証料補助」、店舗の家賃負担を軽減する「家賃補助」、他にも「展示会出展費用補助金」、「ホームページ作成費用補助金」など、多くの助成金・補助金制度があります。

まとめ

政府や自治体が運営する助成金や補助金は、融資を受けた資金とは違って、原則的に返済しなくてもよいものです。起業・開業時を中心にうまく活用できれば、資金繰り面で助けとなる制度となっています。ここで取りあげたものは2020年11月時点の情報です。各制度は頻繁に見直しが行われていますので、いつまでも継続されるとは限りません。募集時期や条件が変更になることもありますので、見落とさないように情報収集していきましょう。